京都府防犯推進委員連絡協議会 会長 椿原正人さん 

取材・執筆:村上千尋、福家玲心

椿原正人さんは、京都府防犯推進委員連絡協議会の会長で、ボランティアとして、日々右京区やその近辺を青色防犯パトロールカー(青パト)に乗ってパトロールされており、市民の安全を守ってくれています。休日の合間に、京染めの活動もされており、毎年の年末頃には警察署の方々への感謝の気持ちと安全祈願を込めて凧を書く事を33年間続けられています。

青色防犯パトロールカー(青パト)

―ご出身はどちらですか?

椿原:鳥取県の漁村生まれです。京都の親戚が染め業をしていたので、中学を卒業したと同時に京都へ移って、京染めを勉強しました。今も問屋から注文が入れば、染めの仕事をしています。

―何故右京区のパトロールを始めたのですか?

椿原:私には息子が3人いるのですが、その子達が通っていた小学校のPTA会長を約10年間していました。その経験を通じて地域の方々との交流が増え、25年ほど前に自治会長から直々に「犯罪のない街を作りたい」と誘いを受けた事がきっかけでした。その後、地域の防犯推進委員の団体を発足し、パトロール活動を正式にし始めました。

―普段はどのような活動をされていますか?

椿原:普段は、青パトに乗って右京区全体を巡回しています。朝は登校していく児童を見送り、昼間は時間の許す限り活動していて、夜は19時から22時までパトロールを行なっています。1日に40kmから50km走っているので、年間だと11,000km程になります。また、毎月20日の防犯の日には、自転車で巡回することもあります。この活動を長年続けてきたおかげで、昨年警察庁長官の中村格様から防犯栄養金賞をいただきました。

―パトロールの際に気をつけていることはありますか?

椿原:右京区は、以前に比べると街灯がとても増えました。しかし、車があまり通らない道には、あまり整備されていません。西京極付近には、そういった道がたくさんあるので、女性が夜1人で人通りの少ない道や暗い道を歩いていたら、積極的に声をかけて注意を呼びかけるようにしています。

―活動を始めて地域に変化はありましたか?

椿原:以前の右京区は、少年の非行やいじめの横行が目立っていて、真夜中に近隣の方から通報を受けることもありました。以来、彼らと向き合って話し合う事を続けてきたので、今はそういった事がとても少なくなりました。子どもは、本来、皆素直で、悪い子はいないと私は思います。

―パトロール活動をしていく上で、やりがいなどは感じますか?

椿原:やりがいはとても感じます。パトロールは完全ボランティアですが、長い間自分の身を削って地域の皆様の為に働くという気持ちを持って、活動を続けてきました。そのおかげで、周りの人達が私に協力してくれたり、支えてくれるようになりました。それがとてもありがたいと思っています。なので、私はこの活動に対して1度も後悔したことがありませんし、誇りを持っています。

―国内外の人に知ってほしい右京区の魅力はありますか?

椿原:右京区には、とてもたくさんの癒やされるスポットがあると思っています。特に私がオススメしたい観光地は、嵐山の竹林の小径と大沢池です。竹林はとても落ち着けて、身体を癒す事が出来ます。また、大沢池に映る月を船から見るのはとても感慨深いです。今年からその催しも再開されましたので、是非見に来てみてください。

―右京区へ提案したい事はありますか?

椿原:右京警察署前の三条通りやその近辺の交差点など、路面電車が通っている事も関係しているかもしれませんが、交通量が多い所の車道が一車線しかないので、渋滞になる事が多々あります。右京警察署の前の道もそのひとつで、現場に駆け付けなければならない時は、警察の方々が車両の通行を規制しなければ、スムーズに出ることが出来ません。なので、道を広くしたり、車線を増やしてほしいと思っています。

―最後に、ウェブサイトの読者へのメッセージをいただけますか?

椿原:右京区に観光しに来ていただいた方々には幸せになってほしいと思っております。右京区は京都で一番綺麗な場所で、数多くの観光名所があるので、癒されたくなったら是非足を運びに来てください。

執筆者コメント

話を聞いていけばいくほど、椿原さんの寛大さを身に染みて感じることが出来ました。椿原さんが描かれた凧は、11月下旬から来年の1月中旬まで右京警察署の前に飾られるそうなので、路面電車に乗って嵐山へ行く機会があれば、車窓からご覧になってみてください。また、椿原さんが現在使われている青パトは、日本財団からの頂き物なので、右京区には1台しか存在しないそうです。ほぼ毎日活動されているので、今後右京区で青パトを見かけた際は、是非椿原さんにお声掛けしてみてほしいです。

(福家玲心)

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